Copilot

Microsoft Copilot 関連サービスを整理してみた

  • 2024.08.05

AI 技術の急速な進化、そして生成 AI の登場により、日々の生活や業務シーンで AI 機能を利用することが増えてきました。また ChapGPT をはじめとする生成 AI の普及により、各社からさまざまなサービスが登場しています。

その中でも注目を集めているのが Microsoft 社から提供されている 「Microsoft Copilot」 です。Microsoft Copilot は Bing や Microsoft 365、Windows など、さまざまな Microsoft 製品に搭載されており、それらツールを利用した各種作業に対する AI アシスタント機能として利用できます。また 2024年3月には GPT-4 から GPT-4 Turbo に置き換わり処理できるテキスト量が増え、2023 年 3 月までの知識にも対応できるようになりました。

Copilot 関連サービスが多くなってきた中、何が違うの? 無償で使えるの?それとも有償プランが必要?何ができるの? など、各種トレーニングコースを実施する中でもお問い合わせをいただくことが多くなってきました。ということで今回は Copilot 関連のサービスや機能を整理してみたいと思います。

主なサービス

Microsoft Copilot として提供されているサービスの主なものとしては、以下3つがあげられます。

種類 対象 費用 機能概要
Copilot 個人向け 無償
  • 対話鋳型の AI チャット機能
    Web 検索情報も含まれ、Web ページやドキュメントの要約も
  • Microsoft Designer での画像生成
Copilot Pro 個人向け

有償
3,200
ユーザー/月

Copilot の機能に加えて、
  • ピーク時でも GPT-4 Turbo が優先的に利用可能
  • Word、Excel、PowerPoint などの Office アプリ内で Copilot 利用
  • Designer の利用上限回数の緩和
Copilot for
Microsoft 365
組織向け

有償
¥53,964
ユーザー/年

Copilot の機能に加えて、

  • 組織向けのセキュリティ機能、データ保護
  • Microsoft Graph による組織内データ (ドキュメントやメール等) へのアクセス
  • Word、Excel、PowerPoint、OneNote、Outlook、Teams での の Copilot 利用
  • Copilot Studio を利用したカスタマイズ

※ 費用は現在の内容です。今後変更される可能性があります。
※ Copilot for Microsoft 365 は Microsoft 365 (Business Standard、Premium、E3、E5) 利用が前提

Copilot

無償で利用でき、Edge ブラウザーなどからつかえます。(以前は Bing AI Chat とよばれていたことがありました)。Edge で利用する場合は、右上のアイコンをクリックすると Copilot が開きます。応答には Web から検索した情報も含まれ、参照元も表示される点が特徴といえます。また Designer を利用することで画像生成も可能です。

Copilot Pro

Copilot をよりパワーアップして利用できる個人向け有償プランです。使用量が多いピーク時には無償ユーザーは GPT-4 Turbo 以外のモデル利用に制限されることがありますが、Copilot Pro ユーザーは優先的にアクセスできます。また Designerでの画像生成について1日あたり100ターンまで利用できます (無償ユーザーは15まで)。Word、Excel、PowerPoint などの Office アプリでの Copilot 機能も利用可能になります。

Copilot for Microsoft 365

Microsoft 365 を導入している組織向けのプランで、Microsoft 365 に追加して利用できます。Microsoft 365 内のビジネスデータ (メールやドキュメント、会議情報など) に Microsoft Graph を利用してアクセスでき、チャット形式の回答に組織内情報も含めた回答を得られます。もちろん職場アカウントで認証された状態で利用する形となり、商用データとして保護されるため、入力したプロンプトは保存されず、言語モデルのトレーニングにも利用されません。また Word、Excel、PowerPoint、Teams などの Microsoft 365 アプリに Copilot が統合された形で機能を利用できます。

チャット機能には Microsoft 365 のホームから、また Teams からもアクセスできます。

また Coplilot と同様に Edge ブラウザーから右上のアイコンをクリックして利用することも可能で、[職場] を選択すると職場データを含めた応答が得られます。[Web] を選択するとインターネット上の情報を利用した応答となり、通常の Coplilot と同じ機能として利用でき、この場合もプロンプトがモデルのトレーニングに使われることはありません。

Office アプリで利用できる機能

Copilot Pro Copilot for Microsofot 365 では Word ExcelPowerPoint などの Office アプリ内に組み込まれた Copilot 機能が利用できます。

Copilot in Word

文章の下書きや書き換え、要約機能が利用できます。Word 内で直接利用できることで、文章作成時にすぐに生成 AI 機能にアクセスできます。

Copilot in PowerPoint

Word からプレゼン資料のベース生成、イラストの挿入、資料の修正などを支援します。プレゼン資料の要約も。

Copilot in Excel

データ分析やグラフ作成、列作成時の数式や書式設定の支援機能が利用できます。


Copilot in Outlook

メールの要約機能と、下書き、返信内容の作成などのメール作成支援機能が利用できます。メール作成支援ではトーンや長さの指定も。

Copilot in Teams

会議後に [まとめ] タブから会議のレコーディング内容を効率よく確認したり、AI が自動生成した会議メモやタスクを確認できます。また会議中にもチャットウィンドウで会議内容に関する質問を行え、アクションリストの作成や、未解決の質問などをピックアップすることも。
参考:【Copilot for Microsoft 365 デモ動画】Copilot in Teams、Intelligent Recap のご紹介 (youtube)

その他 Copilot

  • Copilot in Windows
    Windows に搭載されている Copilot 機能です。AI アシスタントを用いて、「音量の調整」、「アプリの起動」 「〇〇の設定画面を開く」 など Windows 上の操作が行えます。Windows 11 を利用している場合、追加費用なく使えます。

  • GitHub Copilot
    Visual Studio Code や Visual Studio などのコードエディターで利用できます。個人開発者向け、企業向けと複数プランあり。30日間の無料トライアルもあります。コード記述時に候補の提案やチャットで書きたいコード内容を質問して、コーディングの提案などコーディング支援機能が利用できます。

  • Copilot in Power Apps
    プレビュー機能ですが、Power Apps ユーザーはアプリ作成支援機能が利用できます。どのようなアプリを作成したいか自然言語で伝えることでアプリを自動生成したり、数式入力時のヒントを得られます。

  • Copilot for Power BI
    レポート作成支援、要約機能、ページ作成支援機能が利用できます。またデータに関する質問を Copilot に対して実行できるなどの機能を提供します。利用するためには対象の Microsoft Fabric や Power BI プランが必要です。
    ※ 有料の Fabric 容量 (F64 以上) または Power BI Premium 容量 (P1 以上)
    参考 :Copilot for Power BI の概要 – Power BI | Microsoft Learn

カスタム チャットボットの作成

Copilot Studio は組織独自のカスタム Copilot (チャットボット) を作成できるローコード ツールです。元 Power Virtual Agents です (機能追加とともに製品名が変わりました!)  組織で利用する業務アプリやデータベースと接続し、より組織内データと連携したチャットボット、Web サイトや SNS 上で顧客と対話するチャットボットなど多様なリクエストに対応するカスタム Copilot を作成できます。

Copilot Studioは、月額25,000円で提供されており、1ヶ月あたり25,000メッセージまで利用可能です。また Microsoft 365 (Teams) には一部 Copilot Studio の使用権が含まれています。違いをまとめるとこんな感じです。

  Copilot Studio
サブスクリプション
Microsoft 365
サブスクリプション
メッセージ数/
テナント/月
25,000 メッセージ 無制限 (Teams 内のみ)
作成できる
チャットボット
スタンドアロンの
カスタム Copilot
Teams チャットボット
公開先 外部Webサイト、
内部 Web サイト、Teams など
Teams のチャネル/チャットのみ
生成 AI による会話  
Power Platform コネクタ 標準、プレミアム コネクタ
利用可能
標準コネクタのみ利用可能

上表には含めていませんが、Copilot for Microsoft 365 を利用している場合、Copilot Studio を利用して Copilot for Microsoft 365 Chat に拡張機能を追加することができます。

最後に

Copilot は日々の作業をより効率よく進めるための強力な AI アシスタントです。Work Trend Index スペシャルレポート Copilot の初期ユーザーから学ぶ、生成 AI の職場での可能性 によると、「Copilot ユーザーの 70% が生産性が向上したと回答し、68% が仕事の質が改善した」 と回答したとのこと!

自身が利用できる Copilot 機能を活用して、ぜひ作業を効率化してみてください。また Copilot 関連サービスが多くなっていた中、これらの違いや無償で利用できるのか?有償なのか? など整理をしていただくヒントになればと思います。

CI713-H Copilot Studio による Microsoft 365 チャットボット作成

Teams や Microsoft 365 に含まれるライセンスの範囲にしぼり、社内で利用できるカスタム チャットボットを作成、展開する方法を実践的なハンズオン実習を行いながら解説するコースです。
Microsoft 365 (Teams) に含まれるプランでは、生成 AI を組み込んだ会話機能は利用できない点、作成したチャットボットは Teams 内でのみ公開できる点が機能面での違いのポイントといえますが、Power Automate と連携することで SharePoint 等の組織内データから結果を返すチャットボットを作成することが可能です。まずは既存の Microsoft 365 プランで利用できる カスタム Copilot の作成にご興味ある方はぜひご検討ください。

また生成 AI による回答の自動生成は別途有償ライセンスが必要となるため、本コースでは対象外となりますが、1社様向けのカスタム開催ではその内容も含めたコースとして対応可能です。

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